競走馬の馬名は一見、自由に
付けられているように見えて、
細かいルールをクリアしたものだけが
採用されて、馬に付けられています。
そんな競走馬の名前を使って
アプリやゲームを作って
公開するとどうなるのでしょうか?
競馬ゲームが、どんな法律を
クリアして販売されているのか
という事について、今回は
ご紹介していきます。
競走馬の名前に関してのパブリシティ権や
著作権は、どうなっているのか?
ちょっと難しそうな話題ですが、
なるべく簡単に解説しましょう!
競走馬の名称を無断で使用しても不法行為ではない
プロ野球やJリーグをテーマにした
ゲームの場合、団体や球団と
ライセンス契約を結ぶことで、
球団名やロゴ、選手名を
実在の通りに使用することができます。
競馬ゲームの場合はというと
JRAやオーナーに申請をしなくても
馬名に関しては無断で使用しても
大丈夫という見解が出ています。
競走馬の馬名と権利について、
詳しく見て行きましょう。
馬の名前が著作権の侵害の裁判になった過去の例
そもそも著作権という言葉ですが
「作」という文字が入っているように
基本的には作品に関する権利です。
そのため、競走馬の馬名に対して
著作権が認められることはありません。
また、曲のタイトルや作品のタイトルから
馬名を拝借した場合に、著作権や
商標権の侵害になる可能性は
ゼロではありません。
明確な基準は提示されていませんが、
アニメのタイトルをそのままフルで
名付けたりすると、登録申請で
却下される可能性が高いでしょう。
基本的には、馬名は著作権に直接
関係することはありませんので、
著作権侵害に伴う裁判という事例は
2018年9月の時点ではありません。
競走馬名にパブリシティ権はなぜないの?
馬名と著作権に関しての裁判はないと
紹介しましたが、馬名とパブリシティ権
についての裁判は、過去に起きています。
人に備わっている、顧客吸引力を
中核とする経済的な価値を
保護する権利
というもので、有名人の名前や写真で
勝手に集客するのは違法という
意味合いがあります。
競走馬のパブリシティ権については、
競馬ゲームの黎明期に
- ギャロップレーサー事件
- ダービースタリオン事件
と呼ばれる、馬主がメーカーに対して
自身が所有する馬に対しての
パブリシティ権を主張した
裁判がありました。
この2つの裁判を経て導き出されたのは
パブリシティ権は人格権に根差すもの
ということ。つまり、人ではなく
法律上“物”に分類される競走馬に対して
パブリシティ権は伴わないという判決でした。
そのため、現在では競走馬に対して
パブリシティ権はないと判断されています。
馬名をつけるには厳格なルールがある
競走馬の名前については、
かなり厳格なルールがあります。
馬名の付け方については、こちらの記事で
詳しくご紹介しています。
⇒競走馬の名前のルールとは? 意外と厳しい決まりを解説!
競走馬の名前をつける際には、
国際ルールに乗っ取った基準で判断され
認可されたものを登録することになります。
主なポイントをご紹介すると
アルファベット18文字(空白を含む)
以内、かつカタカナ9文字以内
というのが、絶対条件で、
下記に当てはまると使用できません。
- サラブレッド造成から今日まで、功績を残した著名な馬の馬名
- 国際保護馬名
- 日本国外の重要な競走の勝馬の馬名
- GI優勝馬の馬名
- 日本の競走馬の系統上、特に有名な種牡馬または繁殖牝馬の馬名
- 父もしくは母の馬名と同じ馬名
- 特定の個人・団体名など宣伝(営利)目的のような馬名
- ブランド名、商品名、曲名、映画名、著名人などが含まれる馬名
- 馬の性別にそぐわない馬名
- 公序良俗に反する馬名
- 再使用禁止馬名以外で、現役馬・登録抹消馬・種牡馬・繁殖牝馬に類似する馬名
- 競馬用語・競走名などと同一もしくはそれらが含まれる馬名
といったのが、馬名に関する
主なルールです。
要約すると
- 有名馬と同じ名前は基本的にダメ
- CM目的の命名はダメ
- 他者の権利を侵害するものはダメ
- オスにレディー、メスにボーイのような紛らわしいものはダメ
- 放送禁止用語はダメ
- 競馬中継が混乱するような名前はダメ
といった感じです。
オーナーが商標を持っている企業名
だったらOKだとか、重賞ホースでも
年月が経っていれば、使用できるなど
例外的なものもありますが、
基本的には上記の条件をクリアした馬名が
登録可能となり、馬につけられています。
まとめ
今回は、競走馬の名前と権利について
ご紹介してきました。
馬名については、こちらの記事も
オススメなので、ぜひ一度、
ご覧ください。
⇒競馬の名前の一覧!かっこいい馬名からダサい馬名まで一挙公開!
馬名と権利については、
- 競走馬の名前に著作権は
認められない - 競走馬にパブリシティ権は
認められていない - かなり細かいルールと権利を
クリアしたものだけが
馬名登録可能となる
といった所が、まとめです。
自身で競馬ゲームを作ろうと思ったら
馬の名前については、気にしなくても
大丈夫といった所です。
ただし、騎手や調教師、馬主については
パブリシティ権が認められますので
全部を実名で公開するのは難しいと
言えます。
勝手にグッズを作ったりする際には
パブリシティ権だけでなく、商標権など
様々な権利との兼ね合いが必要なので
競走馬グッズの販売を考える際には
弁護士さんなどに、きちんと相談してから
制作や販売を行ってくださいね。