競走馬の輸送! 海外遠征はどうやって移動するの?

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毎年のように、春にはドバイミーティング、
秋は凱旋門賞、冬は香港ミーティングなど
海外遠征する日本馬がいます。

そういった競走馬は、どのように
移動しているかご存知でしょうか?

人間と同じように飛行機で海外に
向かうのですが、様々な条件をクリアして
現地までたどり着かなければなりません。

今回は、競走馬が海外遠征する際の
移動に注目して、ご紹介していきます。

海外遠征を無事に実現するための移動には
どんな条件があるのでしょうか?

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競走馬の輸送は飛行機! どうやって運ばれるの?

出典:http://benkei2010.jugem.jp/

牧場とトレセンやトレセンと競馬場など
国内では車での移動が、ほとんどとなる
競走馬ですが、海外への遠征の場合
飛行機で輸送されることになります。

競走馬は、ストールと呼ばれる
3頭ほど入れるコンテナのようなものに
1頭または2頭で収まります。

そのストールは貨物輸送用の旅客機に
積み込まれ、目的地まで
空輸されていくことになります。

ストール内の状況は、普段運ばれている
馬運車と同じような作りのため
馬にとっては、それほど異空間ではない
と考えられているようです。

海外遠征の場合、競走馬はいつ輸送されるの?

国内での移動の場合は、思い立ってすぐに
輸送することが可能ですが、海外の場合は
そうはいきません。

家畜伝染病予防法に定められた輸出入検疫を
行う必要があるため

  • 輸出の場合は、5日間
  • 輸入の場合は、10日間

検疫厩舎で過ごさなければなりません。

そのため、競走馬をいつ輸送するかは
検疫を考えてスケジュールを組まねばならず
検疫厩舎入厩後1週間ほど経ってから
飛行機に乗ることになります。

輸送費はいくらくらいするの?

人間の飛行機のチケット料金のように
競走馬の輸送費は、表には出ていません。

そのため、海外に輸送する際に
いくら金額がかかるかは、はっきりとは
わかりません。

一説には、日本からフランスへ遠征した場合には
往復で約1000万円が輸送費として必要になると
言われており、この金額は遠征先によって
変わってきます。

海外遠征するほとんどの馬は、
日本で重賞に勝っているので、
輸送費以上を稼いでいますが、
それでもかなりの金額です。

競走馬の輸送がストレスを与える! どんな影響がある?

出典:https://twitter.com/

人間でも長時間のドライブや
フライトで体調を崩すことが
ありますが、それは競走馬にも
当てはまります。

ですので、輸送が苦手な競走馬の場合
近場の競馬場で良績が集中したりします。

競走馬が輸送でストレスを感じると
どんな症状が出てくるのでしょうか?

体重の増減は疲労具合であらわれる

アスリートである競走馬はカロリーや
エネルギーを計算された餌を食べています。

トレーニングや出走スケジュールに合わせて
餌が与えられ、体重をコントロールするのですが
環境の変化に敏感な馬の場合、
ストレスで食が減るケースも有ります。

輸送減り

というのは、その典型。

輸送の際には、水や飼い葉が
設置され飲食できるようになっていますが、
輸送の狭い空間が苦手な馬の場合
それに手を付けないこともあります。

関東の美浦トレセンから、関西の
阪神競馬場までの輸送となると
6時間以上かかるので

その間、水や餌をあまり取っていないと
体重が減り過ぎて、疲労が残った状態で
レースに挑むことになってしまいます。

そのため、厩舎側は馬の個性を踏まえて
事前の調整をして輸送に臨みますが
その時の体調次第で、体重が
減り過ぎる場合があります。

輸送は馬にとってリスクもある? 発熱することも!

人間のエコノミークラス症候群という
わけではありませんが、長時間同じ体勢を
強いられる輸送は、馬にとって
リスクがあります。

そのリスクは輸送時間に比例する
というデータもあり
20時間を超える輸送となると
発熱する可能性が上がると言われています。

それに伴う肺炎を発症する可能性や
長時間動かないために、腸ねん転のリスクも
上がる傾向があるので、なるべく輸送時間を
短くする努力がされています。

競走馬の輸送! フェリーは国内の移動!

競走馬の輸送手段のもう1つに
船便というのがあります。
しかし、ほとんど利用されていません。

国内で北海道と本州を行き来する際に
馬運車がフェリーに乗るため、
この間だけ、海上輸送となりますが

空輸の時のようにストールを
船に積み込むような海上輸送が
利用されることは、ほぼありません。

競走馬の輸送中に事故! 唯一助かった伝説の馬とは?

出典:https://ja.wikipedia.org

年間にかなりの数の競走馬が輸送されるため
事故が発生してしまうことがあります。

名種牡馬サンデーサイレンスも子供時代に
輸送中に事故に遭い、大怪我をした
経験があります。

サンデーサイレンスについて詳しくは
こちらの記事をどうぞ!
⇒サンデーサイレンスとは? 産駒や子供の成績・種付け料をご紹介!

幼駒の頃にセリに出されたサンデーサイレンス。
その帰り道、運転手が心臓発作を起こし
馬運車が横転する大事故が発生します。

この時、同乗していた他の競走馬はすべて死亡。
サンデーサイレンス自身も、しばらくは
真っすぐに歩けないほどの重症
負ったと言います。

しかし、回復し競走馬となったサンデーは
アメリカのクラシックで2冠を達成するなど
活躍を見せ、引退後は種牡馬として
日本にやってきます。

その日本で、現役時代以上の活躍を見せ
血統地図を塗り替える大活躍を
見せました。

まとめ

今回は、競走馬が海外遠征する際に
航空輸送を中心に、輸送に関する話を
ご紹介しました。

競走馬の輸送に関しては、こちらの記事も
ご覧ください。
⇒競走馬の輸送車が事故! 馬への補償はいくらになるの?

金銭的にも体調的にも大きなリスクを
承知の上で海外に挑む日本馬。

海外遠征する馬のレースを見る際には
その辺りにも注目した上で、
果敢な挑戦をする馬と関係者に
声援を送ってみてください。